憲法しんぶん速報版

45号

イラク攻撃・有事法制・教基法改悪許すな

「憲法を輝かそう」とシンポジウム

 中央憲法会議は12月14日、憲法公布56周年シンポジウム「輝かそう憲法!21世紀の日本と世界に」を開催、各団体の代表や各界から40人余が参加しました。シンポジウムでは、「戦争をする国」づくりをめざす動きについてさまざまな角度から明らかにされ、憲法を生かす運動を強めることを確認しあいました。

小林、三上、吉岡氏が報告

シンポジウムでは、吉田健一・憲法会議代表幹事の司会にもとにすすめられ、まず、小林武・南山大学教授「改憲の動きと憲法調査会」、三上昭彦・明治大学教授「教育基本法『改正』がめざす国民像、吉岡吉典・参議院議員「憲法・イラク・有事法制」と、3つの報告がおこなわれました。

これを受けた会場からは、戦争の被害を受けるのは罪もない民衆であり、アメリカのイラク攻撃を許してはならない(伊藤和子・弁護士)、すべての子ども発達する権利を保障するために教育基本法を生かす運動を(石川喩紀子・全教副委員長)、「戦争をする国づくり」がすすめられたことにおけるる戦前・戦後の教訓(隅野隆徳・専修大学教授)などの発言が相次ぎました。

3人の報告者は、こうした発言や会場からの質問に答えつつ、憲法の平和と民主主義の精神を生かすことが、21世紀の日本を切り拓く道であることをこもごも強調するまとめをおこないました。(シンポジウムの全容は『月刊憲法運動』1月号に収録の予定)

 有事法制定へ動き強まる

【自民】 与党は、臨時国会終了前日の12月12日に有事関連3法案に関する「修正案」の趣旨説明を強行しました。これに関連して、自民党の山崎拓・幹事長は20日のテレビ録画収録で、継続審議になっている有事関連3法案に言及し、「小泉純一郎首相の指示で、野党とも十分協議しようとしてきたが、野党が審議に応じなければ与党主導でやらざるをえない」と、1月20日から始まる通常国会では、野党が「修正」協議に応じない場合、与党単独でも成立をはかる考えを強調しました。

【民主党】 20日、菅代表になってから初の国対委員会をひらき、1月からの通常国会を「国難突破へ攻めの国会」と位置づけることを確認しました。その後に記者会見をおこなった野田佳彦・国対委員長は、有事関連法案や教育基本法改悪への通常国会における対応について、「なるべく早く議論の方向性を出し、一致して行動する国会運営にしたい」と述べ、党の最終方針を決め、党議拘束をかけるべきとの考えを示しました。

教基法改悪の県議会決議運動

自民党は12月19日、各都道府県の政調会長を集めた「全国教育改革推進本部長会議」を開き、来年3月にも全国の都道府県議会に「教育基本法の改正を求める請願」を提出することを申し合わせました。教育基本法の改悪については、すでに改憲団体である日本会議が憲法改悪の前段の取り組みとして各地でしゅん動していますが、こうした動きにはずみをつけるのがねらいと見られ、都道府県議会にとどまらず、市町村議会に広がることにも警戒が必要です。

「戦争する国」づくりに反対し、
     憲法が生きる日本に

  2003年2・11集会

と き 2月11日 13時30分開会
ところ 八丁堀・労働スクエア東京
《報告》
 ・とめよう、戦争国家づくり
      小森 陽一(東京大学) 
 ・中東からみる世界のいま
      栗田 禎子(千葉大学)
 ・各分野からのレポート
《プレ企画》靖国神社と新「遊就舘」をみる 11日10時集合
ガイド・吉田裕(一橋大学)
     ――要予約
参加費 500円(プレ企画は別)

主催=2・11集会実行委員会

集団的自衛権の容認求める

【日本国際フォーラム】 財界人や研究者でつくる「日本国際フォーラム」(今井敬・会長)は12月18日、「東アジアにおける安全保障体制の構築」と題する政策提言をまとめ、小泉首相に提出しました。提言は、東アジア安全保障協力のため「予防外交及び紛争解決へのメカニズム構築のための具体的な検討」を求めています。そして、日米同盟の円滑化と国際活動の展開のためにも、「集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の変更、または憲法の見直し」を求めています。

第38回全国総会日程決まる 

第38回全国総会の日程が次のように決まりました。ご予定ください。
 ◇日時 2003年3月8日
  午前11時〜午後4時
◇会場 東京・千代田区一橋
   日本教育会館 
※ご案内・議案等の発送は来年になります