憲法しんぶん速報版

44号

最終報告に向かう憲法調査会の監視強化へ

12・14シンポの成功で構え確立を

 イージス艦派遣などイラク問題をめぐり、憲法9条をめぐる対立が激しくなっています。こうしたなか、「5年をめど」とした憲法調査会の調査期間は、残すところ2年となり、とりわけ、衆院憲法調査会はきわめて作為的な「中間報告書」を基礎に、改憲案の基礎となる「最終報告書」をめざしています。12・14シンポジウムを大きく成功させ、こうした動きへの監視を強める構えをうちたてましょう。
                      

衆院憲法調査会に申入れ

中央憲法会議は12月4日、さきに「中間報告書」をまとめた衆院憲法調査会へ、運営の抜本改善を申入れました。申入れは、@「憲法について広範かつ総合的に調査」することを目的とし、「議案提案権がないことを確認」して発足した調査会が、多数決で「中間報告書」を議決したり、本会議で報告したことは、調査会の目的と権限を逸脱している、A「報告書」は「調査の経過」を報告したものではなく、きわめて作為的なものであること――を指摘し、調査会が憲法と現実との「乖離」の実態やその原因についての調査することによって本来の機能を果たすよう求めたものです。
この申入れには、川村事務局長のほか、全労連、国民救援会、東京憲法会議の代表らも参加し、調査会事務局にその趣旨を伝え、懇談しました。

《憲法公布56周年シンポジウム》
輝け憲法!
21世紀の日本と世界に

◆日時 12月14日午後1時
◆会場 新宿農協会館
◆報告 
*改憲の動きと憲法調査会
     南山大学教授 小林 武 
*教育基本法の改悪がめざす国民像
     明治大学教授 三上昭彦 
*米のイラク攻撃と有事法制
       (交渉中)
◆参加費 500円

大きな成果あげた福岡公聴会

衆院憲法調査会は、 12月9日、6回目の地方公聴会を福岡市で開催しました。意見陳述・傍聴の活動に積極的に取り組んだ憲法会議などの運動を反映し、6人の陳述人のうち5人が「9条の改悪に反対」を表明し、中山会長も国会の多数派と国民の意見の間に「乖離」があることを認めざるをえませんでした。なお、中山会長は総括質疑で、「中間報告書」についての陳述者の感想を聞くことを予定していましたが、これはおこないませんでした。この日、傍聴席では「日本会議」の組織動員が目をひきました。

なお、公聴会終了後、自由法曹団による「市民がひらくう憲法公聴会」が開かれ、調査会委員である日本共産党の春名眞章衆院議員、意見陳述をした日下部恭久・市職労委員長、後藤好成・宮崎弁護士会長、石村善治・福岡大名誉教授らも参加しました。

衆参調査会の今後の予定

【衆院】  12月12日に調査会をひらき4つの小委員会の報告を受け、自由討議をおこなう。なお、6日の幹事懇談会で、会長からは、来年の通常国会における調査の進め方について、各会派で検討してほしい旨の提案がなされている。

【参院】 12月6日の運営検討委員会で、2003年2月12日におこなう基本的人権関連の参考人質疑で、経済・労働団体からは経団連、連合、人権団体からはアムネスティ・インターナショナル日本 の出席を要請することを確認しました。

好評「中間報告書批判」
 ――積極的に活用し、学習を

『月刊憲法運動』12月号特集「中間報告書批判」が好評で50部、70部とまとめての活用が始まっています。通常号より大幅に増刷しています。各種集会などで積極的に活用しましょう。

<<内容>>

*総論的批判…小林武(南山大学)/ 小沢隆一(静岡大学)
*制定過程…高橋利安(広島修道大)
*前文・天皇制…塚田哲之(福井大学)
*安全保障…前原清隆(長崎総合科学大学)/ 木下智史(神戸学院大学)
*基本的人権…倉持孝司(名古屋経済大学)/倉田原志(立命館大学)
*国会・内閣…上脇博之(北九州大学)
*裁判制度・財政… 塚田哲之(福井大)
*地方自治… 小林 武(南山大学)
*憲法改正…小沢隆一(静岡大学)
  1部400円(〒68) 部数がまとまれば割引があります。

第38回全国総会日程決まる 

第38回全国総会の日程が次のように決まりました。ご予定ください。
 ◇日時 2003年3月8日
  午前11時〜午後4時
◇会場 東京・千代田区一橋
   日本教育会館 
※ご案内・議案等の発送は来年になります