憲法しんぶん速報版

29号

小泉首相の靖国参拝に抗議を!

7日に集会・国会デモ、15日に宣伝行動

 小泉首相は、8月15日に靖国神社への参拝を強行しようとしています。教科書問題につづくこの暴挙に、国内ばかりかアジア諸国からも強い怒りの声があがっています。憲法会議は8月1日に開いた担当常任幹事会で、抗議の声明を採択するとともに、他団体等と共同してつぎの行動への参加をよびかけました。

【緊急集会・国会デモ】

 隅野隆徳(憲法会議代表幹事)、井上美代(新婦人会長)、大津健一(日本キリスト教協議会総幹事)、小林洋二(全労連議長)、堀尾輝久(中央大学教授)、松村忠臣(全教委員長)、山住正巳(都立大学名誉教授)各氏のよびかけで、首相の靖国神社参拝に反対する緊急集会・国会デモをつぎのようにおこないます。

◆日時 8月7日 午後1時30分〜
◆会場 全日通霞ヶ関ビル8F会議室
  千代田区霞ヶ関3-3-3
◆内容 
首相の靖国参拝に反対する緊急集会
集会終了後、国会請願デモ
      (午後3時30分終了)

【宣伝行動】

 憲法会議、安保破棄実行委員会、全労連、日本平和委員会は共同して次のように街頭宣伝活動を実施します。

◆日時 8月15日 午後5時〜6時
◆場所 有楽町・マリオン前

【全国からも抗議集中を】

 全国でも首相の靖国神社参拝に抗議する宣伝を大いにもりあげるとともに、小泉首相に抗議のFAX等を集中しましょう。

 FAX 03−3581−3883

神奈川憲法会議は8月3日、小泉首相に「侵略戦争と軍国主義の精神的支柱となってきた靖国神社」参拝を中止することを要求する文書を送りました。

小泉首相の靖国神社参拝に反対する

  小泉首相は、内外の強い反対をおしきって、8月15日の終戦記念日に靖国神社への参拝を強行しようとしています。日本国憲法の平和と人権、民主主義の精神を踏みにじるこの企てに、私たちは強く抗議し、その中止を求めます。

 戦前、靖国神社は、陸・海軍省の管轄のもと天皇の裁可を得た戦死者を「英霊」として合祀することによって、天皇のために国民を侵略戦争にかりたてる役割を果たしました。戦後は、一宗教法人となったものの東条英機らA級戦犯を「殉難者」と美化して合祀しています。  

 首相の靖国神社への参拝が、日本国憲法の平和主義の原点である侵略戦争への反省を投げ捨てるものであることは明らかです。国内はもとより日本の侵略を受けたアジア諸国が強い抗議の声をあげているのは当然であり、靖国神社参拝にあたっては、「国際関係を重視し、近隣諸国の国民感情にも適切に配慮」するとした1986年の官房長官談話をも覆すものです。

 小泉首相が、この靖国神社への参拝について、「公的か私的か問うのは無意味」と述べていることも民主主義への許しがたい挑戦です。日本国憲法20条、89条が国の宗教活動を厳しく禁止しているのは、戦前の日本において国家神道と結びつけて天皇の神格化がはかられ、国民の信教や思想の自由が徹底して抑圧されたことへの反省を踏まえたものであり、小泉首相はこの憲法の定めについて全く理解を欠いているといわざるをえません。

しかも、戦争法(周辺事態法)の具体化がすすめられ、集団的自衛権の行使まで「研究」されようとしている今日、首相の靖国神社参拝は新たな戦死者にそなえるためのものとの危惧を抱かざるをえません。

 8月15日は、侵略戦争を再び繰り返さないことを表明した日本国憲法の平和主義の原点を再確認し、これを守り抜く誓いを新たにする日でなければなりません。それが、真に先の戦争の犠牲者を追悼し、日本とアジア諸国民との友好連帯を発展させる道です。私たちは、重ねて小泉首相の靖国神社参拝を中止するよう求めます。

2001年8月1日  憲法改悪阻止各界連絡会議