憲法しんぶん速報版

26号

小泉首相先頭に改憲キャンペーン

その危険な実態を広く国民のなかに

 小泉首相は首相就任いらい、憲法第九条改悪、集団的自衛権行使、首相公選制、靖国公式参拝など、改憲発言を日常化させつつあります。これに呼応し、これまで憲法の改悪を求めてきたアメリカが圧力をさらに強め、日本の財界なども、「小泉人気」をテコに国民のなかに改憲機運を一気に盛り上げる構えを強めています。

 4日に神戸で地方公聴会

 衆院憲法調査会は6月4日、2回目の地方公聴会を神戸で開きます。1回目の仙台公聴会では改憲反対の公述人が改憲賛成を上回ったため、改憲政党は貝原県知事、笹山神戸市長らを公述人にたてて巻き返しをねらっています。  
 近畿各府県の憲法会議は、この調査会を監視し、これを改憲キャンペーンの場ではなく、憲法を生かすことの重要性をアピールする場にすることをめざし、公述人の応募や傍聴申し込みを広くよびかけてきました。
 そして兵庫憲法会議は、4日夜、次のような集会を準備しています。また、これを機会に県内における改憲反対所組織との共同を広げる努力をすすめています。
◆集会名称=検証:憲法調査会は神戸でなにを調査したか
◆とき・ところ=6月4日 6時30分〜 神戸海員会館

東京でも呼応し宣伝行動

 神戸公聴会に対応する近畿各府県の憲法会議の取り組みに呼応し、東京でも中央・東京の両憲法会議が下記のような宣伝行動を実施します。これは、中央憲法がおこなう月1回の宣伝行動を兼ねるものです。
◆とき=6月4日 12時15分〜13時
◆ところ=神保町交差点
中央・都団体から、デコレーションなどをもって、積極的参加を!

女性団体が宣伝物

 2001年「女性の憲法年」連絡会は、「輝け9条シール」と憲法ハガキを作成しました。ハガキは、小泉首相あてのもの、友人に出すもの(9条の条文入り)、そして手元において前文と9条を繰り返し読むものの3枚セットで、100万通だすことを目標に普及運動をすすめています。
 新婦人の会は、秋の20回大会の記念グッズとして憲法扇子を作成しました。扇子を開けば憲法前文があらわれるものです。大会に向け普及の予定。

愛知で連続憲法講座

 愛知憲法会は、議昨年につづき「連続憲法講座2001」を開講しました。

 講座は5月19日の、森英樹(名古屋大)「『憲法調査会』って何?」に始まり、「『新しい人権』って必要なの?」(6月19日、倉持孝司・名古屋経済大)、「やっぱり首相は公選制?」(7月14日、本秀紀・名大)、「裁判所って誰のためにあるの?」(9月15日、杉浦一孝・名大)、「第9条は時代遅れ?」(小林武・南山大)とつづきます。

5・3憲法集会を総括

 5月24日、東京における「2001年5・3憲法集会」を総括するための事務局会議が開かれました。
 会議では、集会が大きな成功をおさめ改憲反対運動への大きな確信になったことを確認するとともに、予想を上まわる参加に十分な対応ができなかったことや運営のあり方などについても率直な意見をだしあいました。
 今後については、参院選の結果なども踏まえながら、必要に応じて話し合いをおこなうこととしました。 
 なお、財政は賛同カンパと当日の会場カンパをあわせて194万円に達し、これまで支出した経費(各団体が活用したチラシ代を除く)を引いた残り49万円で残務処理をおこないます。

 露骨な財界の改憲提言

 経済同友会は4月25日、「平和と繁栄の21世紀をめざして」との政策提言を発表しました。 この中では、「憲法の制約の下でその行使が否定されてきた集団的自衛権に関する政府見解を再検討」するよう求めています。 さらに、国会に設置された憲法調査会にたいし、「そこでの審議のペースは激動する世界の動きに比していかにも遅く、また必ずしも国民的論議の高まりにつながるものともなっていない」と断じたうえで、「遅くとも2005年までには憲法改正に必要な手続がとられるよう、調査期間を5年から3年程度に短縮すること」を求めています。

「5・3集会」を特集

 『月刊憲法運動』6月号は「2001年5・3憲法集会の内容を収録。
<スピーチ>加藤周一/澤地久枝/土井たか子/志位和夫
<各界からの発言>吉武輝子/大野則行/守谷武子ほか
「『国民主権と国の機構』を振り返って」(小沢隆一)も。6月6日発送。