22号
5・3成功で憲法生かす力大きく
宣伝さらに広げつつ、参加者の確認を
自民党の総裁選では各候補が改憲論議を競いあい、衆院憲法調査会は初の地方公聴会を開いて国民の中での改憲論議をまきおこそうとしています。こうしたなかでむかえられる「憲法記念日」に向け、各地では記念行事の圧倒的成功で改憲勢力を包囲しようと、最後の取り組みを強めています。
成功へ最後の実行委員会
「生かそう憲法、高くかかげよう第9条」をスローガンに開かれる東京の「2001年5・3憲法集会」の成功に向け、最後の実行委員会が4月17日開かれ、60名余が参加しました。
会議では春名眞章・共産党衆院憲法調査会委員、福島瑞穂・社民党参院憲法調査会委員が、それぞれ地方公聴会のもようや調査会における論議の内容について報告しました。このあと会議では、当日のプログラムや任務分担などの細部についても意思統一をおこない、YWCAではすでに70名の参加を確認していることなども紹介され、集会成功に向け最後の奮闘を決意し合いました。
なお、実行委員会はこれに先立ち記者会見し、これまでの経過や当日のプログラムを説明するとともに、よびかけ6団体がこの共同集会によせる抱負を語りました。この後、JR水道橋駅では共同の宣伝行動をおこない、実行委員会の参加団体が集会への参加をよびかけるチラシ配付と訴えをおこないました。
賛同者330名超える
14日の記者会見では、330名を超える学者・文化人・宗教者から集会への賛同が寄せられていることも発表されました。その中では、次のような言葉もよせられています。
池辺晋一郎(作曲家)「日本の憲法は21世紀の世界のモデルです」
小林亜星(作曲家)「日本国憲法は人類の悲願」
滝田祐介(俳優)「平和は、私たち一人ひとりが努力してこそ長続きするものです」
山本亘(俳優)「前文および9条は何としても残すべき。加藤周一氏の委員会の話の中『先に行っている日本国憲法』ということをおのおのが銘記すること」
各地の企画(3)
【北海道】 講演・小森陽一(東京大教授)「憲法のこころと歴史の真実」
【福島】 憲法を考えるつどい/講演・浜林正夫(一橋大名誉教授)「戦争の世紀から平和の世紀へ」
【茨城】 21世紀に輝け憲法 憲法記念日のつどい/講演・早乙女勝元(作家)「私の初心 そして明日へ」
【埼玉】2日 埼玉憲法集会/講演・小林和(民主教育研究所事務局長)「憲法・教育基本法と教科書」
【長野】 講演・大原穣子(俳優)「仕事と憲法」
【富山】 生かそう憲法高くかかげよう第9条5・3憲法集会/話題提供・篠原巌(富山大助教授)、惣名義夫(県AALA連帯委員会)
【岐阜】 記念講演会/講演・市橋克哉(名古屋大教授)「地方分権法の一年 行革と地方自治」
【三重】 県民憲法のつどい/講演・元山健(東邦大教授)「日本国憲法が示す日本のあるべき姿―国際共生をめざして、21世紀の日本人の課題」
【兵庫】 21世紀に生かそう広げよう私たちの憲法/構成劇「いつも心に憲法を」/各分野の報告
9条への攻撃エスカレート
【自民党総裁候補の発言】
《亀井静香氏》「米軍が一方的な攻撃を受けた場合は、同盟関係なのだから、在韓(米軍基地)だろうがどこだろうが、武力行使に(日本も)くわわっていかなければならない。黙ってみているわけにはいかない」(読売、4月14日夕)
《麻生太郎氏》 「自衛隊(の存在)はみんなが認めている。日本は戦力を保持しないといっても、外国は理解できない。憲法九条二項を『陸海空自衛隊、これを置く』と置き換えればいい」(13日、立会演説会)
《小泉純一郎氏》 「自衛隊は軍隊でないというのはおかしい」「(集団的自衛権の行使を)憲法を改正しないで政府解釈を変えるのは問題がありすぎる。やるのなら憲法を改正すべきだ」(産経、14日)
【有事立法について政府答弁書】
「有事法制については、民主主義国家である我が国において、自衛隊が文民統制の下で、国家、国民の安全を確保するため必要なものであると考えており、我が国が外部から武力攻撃を受けた場合に国家、国民の安全を確保することは、公共の福祉を確保することにほかならないから、そのため必要があるときは、合理的な範囲内において法律で国民の権利を制限し、又は国民に特定の義務を課すことも憲法上許されるものと考えている」(楢崎欣弥議員の質問趣意書への回答、3月30日)
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