憲法しんぶん速報版

17号

憲法調査会、5.3企画や中間報告も

委員会傍聴など監視活動いっそう重要に

 国会はKSD、機密費、米原潜等々の問題で森内閣の足元が大揺れに揺れていますが、衆参の憲法調査会はあわただしく当面の日程を決めました。自民党が来月の党大会で21世紀の日本の指針にふさわしい「国民の憲法」をめざすとの方針を決めようとしていることとあいまって、情勢はさらに緊迫するものとみられます。

【衆院憲法調査会】

2月22日に21世紀論議の「しめくくり自由討議」をおこなうことにしていた日程を急遽変更、ひきつづき21世紀論の参考人質疑をおこない、4月に地方公聴会を開くことをきめました。

 (参考人質疑)
2月22日 9時 林崎良英(ゲノム専門家)/13時 小川直宏(人口問題) 以下、3/8、3/22

 (地方公聴会)4月16日 仙台
なお、衆院調査会は、2001年度予算案に、今年度8回の公聴会をおこなうとして600万円〜700万円、広報活動としてポスターなどのほかに5月3日に院外で大規模な集会を開くとして200万円〜300万円、さらに中間報告書を作成するとして数百万円を要求しています。

【参院憲法調査会】

 2月21日 1時〜3時 アメリカ調査団の報告/議員相互の意見交換
2月28日 「国民主権と国の機構」について参考人質疑。以下、3/14、3/28の計3回(憲法学者、政治学者ら9人が候補にあがっている)

5・3実行委がよびかけ

「2001年5・3憲法集会」は1月30日第一回実行委員会が開き。具体的な準備活動を開始しました。また、この日の討議をまとめ、つぎのよびかけを発表しました。

生かそう憲法、高くかかげよう第9条

「2001年 5・3憲法集会」成功のために

戦争の惨禍があいついだ20世紀が終わり、日本でも世界でも、人びとは21世紀を「平和の世紀」にしたいと願っています。私たちは、1999年のハーグ世界平和市民会議が日本の憲法第9条の世界に拡げようと呼びかけたこと、2000年に南北朝鮮の対話と緊張緩和が進展したことなどに、世界の人びとの平和への心を強く感じています。平和な世界を実現するためには、一人ひとりの市民が努力をし、力をあわせなければなりません。

けれども日本では、憲法改悪をねらって一年前に国会に憲法調査会が設置され、危険な動きが強まっています。調査会では、改憲派がうちだした「押しつけ憲法」論は破綻しましたが、今年は条項別の検討や地方公聴会の開催、衆参両調査会の連携などを進め、改憲の流れが加速されようとしています。これに並行して、いくつかの政党も独自の改憲案をまとめる作業を始めています。

改憲派は、憲法前文をはじめ全面的な改悪を考えていますが、最大の焦点は第9条にあり、調査会でも「9条を守れ」という主張と激しく対立しています。すでに、憲法に反する周辺事態法が制定され、盗聴法が成立し、「日の丸・君が代」が法制化されて強制され、教育基本法の見直しが日程にのぼり、さらに有事立法さえ進めようとしています。憲法改悪はその総仕上げとして、日本を「戦争ができる国」「人権を制限する国」にしようとするものです。

私たちは、日本をこのような危険な方向に向けることには強く反対します。憲法の大きな危機に対し、いま全国で「生かそう憲法、高くかかげよう第9条」という声が高まっています。それは、平和を願うすべての人びと、とりわけアジアの人びとの気持ちとも響きあうものであると信じます。

私たちは、憲法改悪に反対し、第9条を守ろうとするすべての人びとが力をあわせ、この声と運動をさらに大きく広げることを願い、今年5月3日の憲法記念日に、共同して大集会を開きます。私たちは同時に、このような共同行動が全国各地でも発展することを期待しています。

この「2001年5・3憲法集会」成功のために、ご賛同、ご協力くださいますようお願い申し上げます。

2001年2月

生かそう憲法、高くかかげよう第9条
2001年5・3憲法集会実行委員会

<事務局団体> 
憲法改悪阻止各界連絡会議
憲法を生かす会
平和憲法21世紀の会
平和を実現するキリスト者ネット
許すな!憲法改悪・市民連絡会
『今週の憲法』編集部(オブザーバー)