憲法しんぶん速報版

15号

憲法調査会が国会に設置されて1年

「今後の2年間が大勝負」と中山氏

 「5年を目途」に報告書をまとめるとして国会に憲法調査会が設置されてから最初の1年が経過しました。衆院調査会の中山太郎会長は、「最後の2年間はまとめに入ることを考えると、今後の2年間が大勝負だ」(1月3日「産経」)と、今後の論議を改憲の方向に向かわせる強い意思表示をおこなっています。                     

1月17日に開かれた中央憲法会議の担当常幹会議では、中山衆院憲法調査会長の発言が、昨年末いらい自民党の各派閥があいついで改憲構想を発表していることに呼応してなされたことを重視し、学習・宣伝活動を一層強め、『月刊憲法運動』の普及に取り組みながら、第36回全国総会の成功に向けた準備を開始することになりました。また、5・3憲法集会の取り組みを成功させるため、わかりやすい学習宣伝物を作成することも確認しました。

当面の日程

1月30日 2001年5・3憲法集会第1回実行委員会
18:30 文京区民センター
2月8日  衆院憲法調査会 
参考人=高橋進・東京大学教授
      西澤潤一・東北大元学長
2月11日 「建国記念の日」反対集会
13:30 労働スクエア東京

 中央組織から地域組織まで

 積極的に実行委参加を

 2001年5・3憲法集会実行委員会が1月30日から活動を開始します。集会を圧倒的に成功させるためには草の根の運動を総結集する必要があると、中央憲法会議の田中洋子担当常任幹事(全労連副議長)と川村俊夫事務局長、東京憲法会議の山本真一幹事長は1月17日、本部、都段階だけでなく、地区組織まで実行委員会に参加するよう労働組合への申入れをおこないました。

今年初の「3の日」宣伝

正月休みなどのために先送りとなっていた憲法会議の「3の日」宣伝行動が1月23日、新宿駅西口でおこなわれました。安保破棄中央実行委員会と共同でおこなわれたこの行動には、15団体から29名が参加しました。

宣伝カーからは、西田祥文・国公労連副委員長、望月憲郎・救援会事務局長、栗山嘉明・建交労副委員長、千坂純・平和委事務局次長、工藤毅・全教中執、小泉親司・参議院議員が訴えをおこない、憲法会議、安保破棄実行委それぞれが準備したチラシを配付しました。

各地の動き

【京都】 1月19日、市民講座の第8回目(最終回)が開かれ、大久保史郎・立命館大教授が「憲法を変えた方がいい?―改憲論者の内幕」と題して話をしました。30人が入れる会議室は立ち見もでる状況で、話のあと質問や意見を出し合い、交流しました。

 なお、この日の講座はインターネットでこの催しを知った衆院憲法調査会の事務局4人が傍聴しました。

 【埼玉】 12月7日、第3回の例会を開きました。青木努・弁護士が「憲法調査会を検証する」と題して、衆院憲法調査会における曽野綾子、近藤大博、石原慎太郎、櫻井よしこ各参考人の意見をわかりやすく解説し、批判する報告をおこないました。参加した18人からは活発な意見がだされました。
 なお、憲法会議は2月10日、「2001年新春の集い」をひらきます。

 【愛知】 12月16日、毎月おこなっている例会を開きました。衆院の憲法調査会で、参考人意見を述べた小林武・南山大学教授が「私の見てきた憲法調査会―本当の『21世紀の日本のあるべき姿』とは」と題して話をし、参加者のあいだで意見交換しました。

また、1月27日、2001年定期総会を開きます。第1部では、長谷川正安・代表委員が「憲法の来し方行く末」と題して記念講演をおこないます。

『月刊憲法運動』2月号予告

◇なぜ「新しい人権」「首相公選制」か?(下)  一橋大学・渡辺 治

<小特集=憲法否定の教科書をめぐる地方議会のたたかい>

 ・憲法否定の教科書採択をめぐる動きにどう対抗するか
   歴史教育者起用議会 石山久男

 ・歴史の事実をねじ曲げる教科書は許されない  仙台市民連絡会

 ・資料 「新しい歴史教科書つくる会」が地方議会に提出した請願文とこれに反対する請願文等

<シリーズ・憲法調査会を監視する>(7)
 社会構造転換として「21世紀新憲法」論   福島大学・中里見 博

『憲法問題ファイル』
(1)院憲法調査会参考人意見要旨(松本健一、渡部昇一、村上陽一郎)
(2)自民党各派閥の改憲構想

★1月31日発送予定。増誌申請はお早めにお願いします。