憲法会議についての ご紹介ページ |
憲法会議とは? |
憲法会議の目的と組織
戻る 【目的】 本会は日本国憲法のじゆうりんに反対し、民主的自由をまもり、平和的・民主的条項を完全に実施させ、憲法の改悪を阻止することを目的とします。 【活動】 本会は前条の目的を達成するため、左の活動をおこないます。 (1)憲法問題についての調査研究、宣伝活動、研究会、討論集会、講演会の開催、機関紙、刊行物の発行。 (2)集会、示威行進、請願などの統一行動の組織。 (3)憲法改悪阻止を目的とする他団体との共同行動・統一行動の強化、他団体との団結と統一に役立つ諸活動。 (4)その他本会の目的達成に必要な活動。組織:中央の憲法会議は労働組合、市民・業者団体、女性・青年組織、平和・民主団体などの団体加盟を中心に、憲法・歴史などの研究者、弁護士などの個人が役員として参加しています。 都道府県や地域にも憲法会議があり、中央憲法会議と連携をとりながら運動をしていますが、組織形態は団体加盟中心のところや、個人加盟を中心としたところなど多様な形態をとっています。 |
2002年 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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憲法会議、これまでの主な運動 戻る |
【憲法の明文改悪に反対し憲法を学ぶ運動】 90年代に入って与党=改憲勢力、野党=護憲勢力という図式がくずれ、「創憲」「論憲」などをとなえる勢力が登場し、憲法の明文改悪の動きも新たな強まりを示しています。憲法会議は、こうした動きを系統的に紹介し、批判しつづけてきました。こんにちの憲法調査会を足場にした改憲の動きに反対する運動は、その第二ラウンドといえます。 もともと、64年の内閣憲法調査会の報告書に反対して結成された憲法会議は、その報告書の内容を学習・批判することから出発し、自民党憲法調査会の稲葉会長試案(1972年)、自民党憲法調査会「中間報告」(1982年)など自民党がまとめた改憲案や、自主憲法制定国民会議、「日本を守る国民会議」(現・日本会議)などの改憲構想(81年〜84年)にも逐一批判の活動をおこなってきました。 また、これらと連動させながら、各地で「憲法学校」「憲法講座」「出前憲法学習会」などを開き、日本国憲法そのものの普及・学習活動にもとりくんできました。 【憲法違反の法律に反対する運動】 さいきんの主な運動としては、参院非拘束名簿方式の導入反対(2000年)、憲法調査会設置法、衆院比例代表議席削減反対、(99年)、戦争法反対(周辺事態法=98年)、PKO等協力法反対(92年)など、9条のなしくずし改悪や選挙制度改悪にかかわる運動が大きな比重をしめています。とくに90年代の第8次選挙制度審議会から細川内閣にいたる小選挙区制法に反対する運動(94年)は、他団体とも協力して全国的に大きな運動を展開しました。 このほか、憲法会議が結成いらい取り組んだ憲法違反の法律は、有事立法(78年=国会未提出)、国家機密法(=スパイ防止法、84年=廃案)、安全保障会議設置法(85年)、政党法(84年=国会未提出)、警察拘禁2法(82年=廃案)、大学管理法(70年)、靖国神社国営化(70年代)等々きわめて多方面にわたっています。 【憲法のじゅうりんに反対し、憲法を生かす運動】 憲法会議は「明文改憲」だけでなく「解釈改憲」の日常化にもいっかんして反対してきました。そうした運動の基礎を広げるため67年には「憲法じゅうりん告発運動」を提起し、基地や福祉、教育、過疎地等の現場を実態調査するなどしてパンフレット等にまとめ、3回にわたる全国交流集会を開いてその経験を交流・普及しました。この運動は毎年の全国総会方針でも強調され、各団体、各地の運動として展開されています。 また、地方自治の民主化をめざす運動に参加し、国際人権規約の批准をめざす運動をおこなうなど、憲法の具体化、豊富化をめざす運動にとりくんできました。 【他団体との共同をめざす活動】 現在、憲法会議は、憲法を生かす会、平和を実現するキリスト者ネット、平和憲法21世紀の会、許すな!憲法改悪・市民連絡会、『今週の憲法』編集部(オブザーバー)とともに6団体の懇談会を適宜ひらいており、2001年5月3日の憲法記念日には共同の集会を開くことにしています。 これまでも、憲法会議は可能な限り改憲に反対する他団体との共同をめざし、60年代には国民の生存権を問う朝日訴訟や自衛隊を裁く恵庭訴訟などの裁判闘争、70年代には「紀元節」復活、靖国神社国営化、元号法制化などの違憲の立法に反対する運動等において、共同のための組織をつくって運動してきました。 また、9条を擁護すること一点にしぼった共同アピールの組織(96年、賛同約1600人)など、広範な個人の共同に役立つ運動もおこなってきました。 【定例行事化している活動】 5月3日の憲法施行、11月3日の憲法公布を記念する集会、2月11日の「建国記念の日」に反対する集会は毎年集会を開いています。また、世界人権宣言については45周年、50周年などの節目の年にシンポジウムなどの記念行事をおこなっています。 |
憲法会議、声明・見解・談話等 戻る |
憲法を極度にないがしろにする小泉内閣を糾弾する
一 歴代内閣のなかでも突出して憲法をないがしろにする小泉内閣――内閣発足後2年余の経過をふまえて 2003年6月23日 憲法改悪阻止各界連絡会議 小泉内閣の発足から二年余経過しました。この間、小泉内閣はテロ対策特別措置法や有事関連三法の制定を強行し、さらに「国民保護法制」や「米軍支援法」などによる有事法制の完成、自衛隊を米英の占領行政に参加させる「イラク派兵法(特措法)」制定をめざすなど、日本を「戦争する国」に導く政治を急激にエスカレートさせています。また、「構造改革」の名のもとに国民の生活と権利を破壊し、日本経済を深刻な危機に陥しいれています。「自民党を壊す」を看板に登場した小泉首相が破壊しているのは「自民党政治」ではなく、日本が世界に誇り得る憲法の平和と民主主義の基本原則です。このなかでは、小泉首相ばかりか、福田官房長官の「非核三原則」見直し発言など閣僚による憲法に背を向けた発言もあいつぎ、憲法をないがしろにする小泉内閣の姿勢は歴代内閣のなかでも突出しています。これらは、衆参両院の憲法調査会を足がかりにした憲法改悪の動きに拍車をかけるとともに、「政治は憲法にもとづいておこなう」との民主主義の大原則(立憲主義)も破壊しかねない危険をはらんでいます。 二 「集団的自衛権」の行使などを「合理化」する乱暴な「憲法論」 小泉首相の憲法に立ち向う姿勢の異常さは、憲法に反した政治がおこなわれていることに、何の“うしろめたさ”も感じていないことにあります。「国民的常識で見れば自衛隊はだれが見ても戦力を持っていると見ているでしょう。今まで総理大臣はこういう答弁はしなかったんですよ。建前ばかりに終始して。本音で議論しよう」(01年10月23日、参院外交防衛委)との発言はその典型です。歴代の総理大臣の「建前」論が、表面上だけでも「合憲」を装おうためのものであったことは明らかです。しかし小泉首相は、政治が憲法に違反していることを認めたうえで、違憲の現実にあわせて憲法を変えることを主張しているのです。首相の座にあるものは憲法を尊重し擁護する義務を負う(憲法99条)との認識は微塵もなく、したがって違憲の状態をさらに拡大することへのためらいもありません。 小泉首相の憲法9条改悪の主張は、首相就任直後の記者会見(01年4月27日)からつづけられており、最近も、「私は、自衛隊というのがわが国の平和と独立を守る軍隊であるということが正々堂々と言えるように、将来憲法を改正するのが望ましいという気持ちを持っております」(03年5月20日、参院本会議)と述べています。そのためには、手段を選びません。「首相公選制のためだけの憲法改正だったら、国民から理解されやすいのではないか」と、勢いこんで「首相公選制を考える懇談会」を首相のもとに設置(01年7月13日)したこともその一つです。しかし、“小泉人気”が沈静化し、この制度の欠陥も明らかになって国民の批判が高まるや、その答申を平然と棚上げしているように、一つの方向が行き詰まるとあっさり方向転換する無責任ぶりも発揮しています。 9条の明文改憲をめざす一方で、小泉首相は、きわめて粗雑な「論理」による9条の破壊を現実政治の場ですすめています。テロ特措法案の審議では、「確かにあいまいさは認めますよ。すっきりした、明確な、法律的な一貫性を問われれば、答弁に窮しちゃいますよ。大体、憲法そのものが難しい」と法案の欠陥について無責任な居直りしたうえで、「憲法前文と憲法九条の間のすき間」を埋めるとの思いつきの憲法「解釈」を展開し(01年10月5日、衆院予算委)、法案の成立を強行しました。 小泉首相は就任いらい、「集団的自衛権の解釈を変えるのは非常に難しい。本来、憲法を改正してしまった方が望ましい」といいつつ、集団的自衛権の行使にむけて、これまでの制約を最大限まで取り払うことにとりわけ力をそそいできました。テロ対策特措法では、NATOが集団的自衛権の行使としておこなうものと同じ米軍支援活動を自衛隊がおこなうのにもかかわらず、「似たようなものがあるかもしれません。しかし、武力行使はしないんです。戦場には出ないんです。戦闘行為には参加しないんです」(01年10月10日、参院予算委員会)とおしきって、戦後初めて海外の戦闘地域への自衛隊派遣を強行しました。さらに、その後の武力攻撃事態法では、「周辺事態法」や「テロ特措法」に基づいて米軍支援にあたる自衛艦への攻撃も、「わが国」への武力攻撃とみなし、自衛隊が海外で武力を行使することを公然と認めるにいたっています。小泉首相の憲法「解釈」は、国際的な常識や自分がおこなった以前の発言をも無視し、つぎつぎと拡大されています。 基本的人権の保障など憲法の民主的原則については、9条問題のようなきわだった形の憲法に関する発言としてはあらわれていません。しかし、医療や社会保障、教育、労働に関する法制のあいつぐ改悪など、国民の基本的人権にかかわる小泉首相の施策のどの一つをとっても、そこには憲法の民主的原則を考慮した痕跡もありません。この面でも歴代内閣のなかで突出した憲法破壊政治をおこなっていることは明白です。議会制民主主義や地方自治の問題についても同様であり、小泉内閣は憲法の基本原則すべてを破壊しようとする内閣といわなければなりません。 三 粗雑な「憲法論」を生み出す小泉首相の立脚基盤 小泉首相の乱暴きわまりない「憲法論」には、いくつかのきわだった特徴があります。 第一は、それが、憲法についての学界の多数説や歴代内閣の答弁、裁判所の判決などを、まともに検討することなく展開されていることです。そのため、「最高裁判所が自衛隊は憲法違反の存在ではないと判断を下しているんですよ」(01年10月23日、参院外交防衛委)との発言すら国会の場でおこなわれています。さすがに3日後、「自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判所判決はない」と訂正しましたが、首相の座にあるものが、半世紀近く国政の重大問題として論議されてきた自衛隊が違憲・合憲かについての最高裁判決も知らず、質問者の発言に威丈高に反論している姿は恐るべきことです。そして、その「憲法論」は、「憲法前文と九条を政治的に考え」(01年10月23日、参院外交防衛委)、「憲法前文と憲法九条の間のすき間」を埋めるとの発言に見られるように、政治的必要性に基づいてうみだされています。それは、この憲法こそが政治の基本方向を規定する「最高法規」であり、これに反する「法律、命令、詔勅および国務に関するその他の行為」は無効(憲法98条)とする原則を真っ向から否定するものです。 第二は、小泉首相には日本と世界の歴史の発展方向を見すえ、これに学ぶ姿勢が全くないことです。 小泉首相が、「憲法そのものも国際常識に合わないところがある」(01年10月23日、参院外交防衛委員会)と、9条にもとづく平和への努力を何ひとつしないまま、アメリカの先制攻撃戦略を無条件に支持し、その無法な戦争に日本を加担させています。しかし戦争違法化に向けての努力をつづけてきた世界はいま、イラク戦争に反対して空前の規模で展開された反戦運動をつうじ、国連を中心とした平和のルールをとりもどす大きな流れをつくりだしています。侵略戦争への反省にたって国連憲章の精神をさらに徹底させた日本国憲法第九条は、「国際常識に合わない」どころか、国際的にもその先駆性をますます発揮しています。しかし小泉首相は、内外の強い批判にもかかわらず、「国のために命を捧げた人々に敬意と感謝を表すのは日本人として当たり前」と、A級戦犯を合祀した靖国神社に「内閣総理大臣・小泉純一郎」として三年連続して参拝するなど、日本の15年にわたる侵略戦争に無批判、無反省の態度をつらぬき、世界の大きな流れにも目をそむけつづけています。 第三は、小泉首相が最優先の判断基準を、日本国憲法や国連憲章ではなく、アメリカの世界戦略においていることです。「戦争する国」づくりも「構造改革」も、アメリカの要求に忠実に従ったものにほかなりません。「もし日米が共同活動をして、米軍が攻撃を受けた場合に、日本が何もしないということは果たしてできるだろうか」(01年4月27日記者会見)というのが小泉首相の持論であり、アメリカから「ショウ・ザ・フラッグ(旗をみせろ)」といわれて「テロ特措法」を制定し、いままた「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(陸上部隊を派遣せよ)」といわれて「イラク特措法案」を提出しています。アメリカがイラクにたいする武力攻撃開始の意思を表明するや、ブッシュ大統領の発言のみを根拠に、「フセイン政権に武装解除の意思がないことが断定された」(03年3月18日)と、アメリカのイラク攻撃支持を表明したように、そこに自主的姿勢は全くありません。 そもそも小泉首相には、日本の首相となる資格がないといわなければなりません。 四 憲法が輝く21世紀をめざして 小泉内閣の憲法をないがしろにした「戦争する国」づくり、国民生活破壊の政治は、あらゆる面で国民との矛盾を深めており、それは小泉首相の掲げる政策そのものへの支持の急減などとなってあらわれています。とりわけ、小泉内閣がアメリカの先制戦略に無批判的に追随して推進している「戦争する国」づくりは、アジア諸国の警戒心を高めているばかりでなく、平和のルールを取り戻すことを求める世界の大きな流れからの孤立を深めています。 私たちは、憲法をないがしろにする小泉内閣と、これをささえる政権与党を厳しく糾弾します。同時に、日本国憲法の平和的・民主的原則の先駆的・先進的価値を学ぶ運動を広げ、平和と民主主義、生活と権利を守る一つひとつのたたかいをつうじ、これを生かすために奮闘する決意をあらためて表明するものです。そして、広範な国民が、憲法が豊かに息づく21世紀の日本をめざして共同の輪を広げることを心からよびかけます。 《談話》衆院憲法調査会「中間報告書」の提出にあたって 2002年11月1日 憲法改悪阻止各界連絡会議事務局長 川村 俊夫 一、衆議院憲法調査会は本日、二年半余にわたる調査についての「中間報告書」を衆院議長に提出しました。「憲法と現実との乖離」が共通して指摘されてきたにもかかわらず、その実態と原因についてのまともな調査もせずにまとめられたこの「報告書」は、「日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う」(憲法調査会規程第一条)とした調査会の「目的」とはほど遠いものです。私たちは、「議長に提出することができる」(同第二条)としかされていないこの「報告書」を、衆院本会議で報告することによって権威づけようとしていることに強く反対します。 一、六五〇頁におよぶ「中間報告書」の中心的部分である「委員及び参考人等の発言に関する論点整理」も、調査の内容を正確に反映したものとはいえません。同調査会がこれまでおこなってきた調査は、「憲法制定の経緯」、「二十一世紀の日本のあるべき姿」、さらに@基本的人権の保障A政治の基本機構のあり方B世界の中における日本のあり方C地方自治の四つの分科会の名称に示されたテーマによるものですが、「報告書」は「憲法制定の経緯」以外はこれらのテーマを無視し、日本国憲法の前文から逐条的に、しかも条文ごとに細目を設け、委員や参考人の発言の関連する部分だけを切り取って羅列しています。項目の立て方も、切り取り方も恣意的なものであり、委員・参考人発言の全体の趣旨を必ずしも正確に伝えているとはいえません。また、改憲を主張する同じ参考人の発言がたびたび登場するなど、公正さを欠くものとなっています。 一、この間五回にわたって開かれた地方公聴会では、いずれも憲法の平和的・民主的原則を現実に生かすことを求める陳述が多数をしめたように、「中間報告書」に盛られた改憲の主張は決して国民の意思を反映したものではありません。同調査会の中山太郎会長は、この「報告書」を改憲案の基礎となる「最終報告書」へのステップとする意図をあけすけに語っています。しかし、改憲案の作成を任務としたかつての内閣憲法調査会とは異なり、今回の調査会は「議案提案権をもたないことを確認」(「申合せ」)して設置されたものであり、そうした逸脱は断じて許されません。 私たちは、今後の衆院憲法調査会の運営がその目的・権限を逸脱することのないよういっそう厳しく監視することが必要要です。同時に私たちは、憲法改悪のあらゆる企てに反対し、世界でも先駆的・先進的価値をもつ日本国憲法の平和的・民主的原則を二十一世紀の日本と世界に輝かせていくためにさらに奮闘する決意を新たにするものです。 <声明> 報復戦争参戦法案の閣議決定、国会提出にあたって 2001年10月4日 憲法改悪阻止各界連絡会議 三法案は、国連憲章、国際法に違反するアメリカの報復戦争を無条件に支援するものであり、立法目的そのものが正義と法の支配の実現をめざす国際社会のルールに反し、テロの根絶に役立たないばかりか、テロと報復の悪循環を激しくするものです。 三法案は、米軍と一体になった自衛隊による「後方支援」を、一昨年成立した周辺事態法の「日本周辺地域」から他国の領域内を含む地球規模のものに拡大し、武器の使用も大幅に緩和して実施しようとするものです。これが自衛隊の参戦行為であることは明らかであり、歴代内閣が「憲法上許されない」と言いつづけてきた集団的自衛権の行使そのものにほかなりません。 あわせて、「防衛秘密」ろう洩にたいする罰則強化が盛り込まれ、自衛隊の治安出動の対象に新たに自衛隊施設や米軍基地の警備を加えるなど、国民にたいする監視と抑圧の体制を強め、自衛隊をいっそう反国民的なものにしようとしています。米軍支援のための自衛隊の出動を国会の「承認」ではなしに「報告」にとどめていることも、「国権の最高機関」である国会の地位をないがしろにするものであり、国民主権の原則への重大な挑戦といわねばなりません。 しかも今回の三法案は、たんにアメリカの報復戦争支援にとどまらず、日米新ガイドラインいらい強めてきた有事法制の整備や国連PKF活動参加の凍結解除、そして集団的自衛権の公然たる行使に向けた動きを一気に加速させようとするものです。 「政府の行為によって、再び戦争の惨禍の起こることのないやうにする」として国際紛争の平和的解決を誓った憲法の前文・第九条の精神を守りぬくことこそ、二一世紀の世界平和実現に向けて日本がなしうる最大の貢献です。私たちは、“テロ糾弾、侵略戦争反対、自衛隊海外派兵許すな、法の裁きでテロの根絶を”の世論と運動を大きく広げ、三法案の廃案をめざして全力あげて奮闘するとともに、日本が世界に誇ることのできる憲法第九条を擁護するため、思想・信条の違いをこえて共同の輪を広げることを心からよびかけます。 《声明》法と理性にもとづくテロ行為の根絶を求め軍事力による報復に反対します 戻る 2001年9月21日 憲法改悪阻止各界連絡会議
アメリカでおこった憎むべき同時多発テロは、米国への攻撃にとどまらず国際社会全体に向けられた攻撃です。私たちは、このテロの犠牲となった方々に心から哀悼の意を表するとともに、このようなテロ行為を厳正に処罰し再発を許さないために、国際社会が国連を中心に団結して真相を究明し、軍事報復ではなく、国連憲章、国際法にもとづく理性ある行動をとることを求めます。いまアメリカを中心とするいくつかの国々は、今回のテロ行為に大規模な武力行使をもって報復する動きを強めています。これは、テロ行為と軍事報復の悪循環、泥沼化への道につながる危険をもち、「武力行使をともなう復仇行為」を禁止した国連決議(1970年)など国際社会がこれまでつみあけできた武力報復を認めないとの合意にも反し、テロ根絶の努力への大義を失わせるものです。テロの直接の被害を受けたアメリカ国民も、そうした軍事力の行使には慎重であることを求めており、国際社会からも法と理性による対応を求める声が高まっています。 こうしたなか、小泉内閣がアメリカの軍事力行使に全面的な支持を表明し、医療、輸送、補給などの米軍支援をめざし、イージス艦の派遣や在日米軍基地警備のための自衛隊の治安出動までおこなおうとしていることはきわめて重大です。小泉首相は、これを「憲法の枠内」などと述べていますが、日本国憲法第九条は、国際紛争を解決する手段として、「武力の行使又は武力による威嚇」は「永久にこれを放棄する」としています。政府の米軍支援策は、これまでの自民党政府の憲法九条解釈をさらに乱暴にねじまげ、その形骸化をはかろうとするものであり、絶対に許されません。 私たちは、いかなるテロ行為も許さない立場をあらためて表明するとともに、自民党などが、今回の蛮行に便乗して憲法第九条のじゅうりんを拡大し、従来からの野望である憲法改悪への道を広げようとしていることに断固反対します。 |
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