憲法改悪の動きに 断固として反対の声を上げましょう |
小泉首相は歴代首相で初めて、改憲案の作成を自民党に指示し、22日にはその推進体制づくり ともいえる新内閣を発足させました。国会においても、憲法調査会が改憲への足がかりとするこ とをめざし、「最終報告書」に向けた動きを強めています。いま、第9条を中心とした憲法改悪の 危険は、現実のものとなりつつあります。21世紀の日本を再び戦争と軍国主義への道に進めよう とするこの動きを、私たちは絶対に許すことはできません。 この憲法改悪の動きは、国民の願いから生まれたものではありません。1997年の日米防衛協力 のための指針(新ガイドライン)以降、日本政府はアメリカの強い圧力のもと周辺事態法をはじ めとする一連の海外派兵法の制定をあいついで強行し、いまや自衛隊は「主要な任務の一つ」(03 年版「防衛白書」)として海外での行動を日常化させています。政府は、これらの自衛隊は、「武 力行使の目的をもたない」、「米軍と一体の武力行使はしない」から、憲法違反ではないと強弁し てきました。しかし、自衛隊による戦後初めての海外での武力行使につながりかねないイラク派 兵問題をみても、そうしたごまかしの破たんは明白です。 憲法の改悪は、こうした破たんをとりつくろい、自衛隊の行動を規制してきたいっさいの「制 約」をとりはらうためのものです。それは、アメリカが、国連を無視して地球的規模で展開して いる先制攻撃戦略にもとづく無法な戦争に参加するためです。そこには、自民党・財界の軍国主 義復活をめざすねらいも重なっています。 国民のみなさん。 憲法の改悪を阻止することは、日本が再び侵略国家にならないとした世界への誓いを守ること であり、アメリカの無法な戦争政策の拡大を許さないためにたたかっている国際社会にたいし、 日本国民が負っている責任です。 日本国憲法第9条には、アジアと日本にはかりしれない惨害をもたらした先の侵略戦争への深 い反省と、日本国民の恒久平和への強い決意がこめられています。それは、戦争を違法なものと し、平和な世界の実現をめざした国連の精神をさらに徹底したものでもあります。いま、国連を 中心に平和の世界秩序を確立しようとする動きは、アメリカのイラク攻撃に正面から反対してい る非同盟諸国の運動や、世界中で展開された空前の規模の反戦運動など、巨大な流れとなりつつ あります。憲法9条をもつ日本こそ、そうした世界の流れの先頭に立つべきです。 私たちは、国民一人ひとりが、こんにちの憲法改悪の動きに断固として反対の声をあげること を心からよびかけます。文字どおり草の根から憲法を学び生かす運動を巻き起こし、憲法改悪反 対、「第9条守れ」の世論をもりあげましょう。世界でも先進的・先駆的な日本国憲法を21世紀 の日本の指針として花開かせるために、考え方や立場の違いを超えた共同の輪を大きく広げまし よう。 2003年9月23日 |